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ある寒い冬の夜
見知らぬ老婆が城に来て
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一夜の宿を求め
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一輪のバラを差し出したが
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老婆の醜さを見て
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王子は すげなく
その願いを拒絶した
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人を外見で
判断しないようにと
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忠告する老婆を
王子が再び追い立てた時
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醜い老婆は一瞬にして
美しい魔女に変わった
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王子は あわてて謝ったが
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愛のない心を見抜いた魔女は
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罰として
王子を醜悪な野獣に変え
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城と王子の家来たちにも
呪いをかけた
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醜い姿を恥じた王子は
城の中に閉じこもり
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魔法の鏡だけが
外界への窓となった
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魔女のバラは
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魔法により 王子が
21歳になるまで咲き続ける
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最後の花びらが散るまでに
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愛し愛されることを
王子が知れば
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呪いは解けるのだ
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それが かなわぬのなら
永久に野獣の姿のままだ
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時がたつうち
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王子は あきらめと
絶望にとりつかれた
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いったい誰が
野獣を愛するだろう